実施人数、準備する機器、ルールも「ミニマム」からはじめましょう。

テレワークの実施については、検討やシミュレーションに時間を使わず、まずは試行実施してみることが大切です。過去に実施したことがない場合は、現行のルールや制度は維持したまま、試験導入をしてみましょう。小規模の試験では1人からスタートし、課題や必要なものを検討していきながら、それに伴ったルールや制度を整備していくことがテレワークのスムーズな実施と定着に結びつきます。

まずは「1dayテレワーク」

最初の試行実施は、1日〜3日トライをしてみて足りないものを確認してみましょう。そこから週に2日、3日と実施日を増やしながら、実施する人数を増やしていくことも検討しましょう。その後も、週に1日程度であれば、日帰り出張時と変わりませんので、勤怠管理や業務で必要な連絡は電話で十分かもしれません。ただし、生産性の向上とテレワーク定着を図るためにも、コミュニケーションツールやオンラインミーティングなどが行える環境も検討し導入を進めましょう。

最低限の準備「パソコン1台と電話のみ」

ログインパスワードを設定した持ち出せるパソコン(扱うデータによっては、ハードディスクに暗号化ができているノートパソコンを検討しましょう)へ、業務で必要なデータを入れて持ち帰り、1日の試行実施をしてみましょう。

始業終業のタイミングは、上司へ電話連絡で行ってみましょう。業務の中で、どうしても困った際は、いつものように出社すれば済みます。

労務管理の留意点

テレワーク勤務中も労働者に関わるすべての法令が適用されます。
新たな決め事も必要となるため、整えていきましょう。

労働条件の明示

事業主は、労働契約締結時に、就業場所を明示する必要があるため、在宅勤務を予定している場合は、従業員の自宅住所等を記載した労働条件を明示しておきましょう。

労働時間の把握

労働時間を適正に管理するため、始業、終業時刻を確認し記録する必要があります。本格的に導入する際はツールの検討が必要ですが、試験的な導入時は電話連絡、チャット、メールを使ってみましょう。

対象者の(適正)基準

テレワーク中は、1人で業務を行うため、分からないことをオフィスと同じように教えてもらうことができません。業務に支障なく1人で進められるかなど、一定の基準を設けておきましょう。

テレワーク実施の申請と承認

短期でも長期でも、テレワークを実施する際に必要な社内手続きを整えます。

業務連絡の方法

電話やメールなど「業務中はこの方法は必ず連絡がとれる」ことが必要です。

テレワーク実施時の費用負担

在宅勤務をする際は、従業員の自宅の電気、水道、通信回線を使用することになります。通信回線の使用料や光熱費などについて事前に費用負担割合のルール等も決めましょう。

最終的には社会保険労務士等の専門家へ相談し制度をまとめましょう。