会社概要

業種製造業
本社住所上田市小泉81
従業員規模810名
公式ウェブサイトhttps://www.hioki.co.jp/

テレワークの概要

導入目的柔軟な働き方による生産性の向上
実施内容在宅勤務
対象人数全社員
実施人数月に約50~80名
開始時期2020年5月

導入の経緯

日置電機株式会社は計測器の開発、生産、販売・サービスを一貫して行う研究開発型企業です。個人が自己を磨き、人としてより良く生き、良い人生を送ることができるように、「人間性の尊重」と「社会への貢献」を企業理念に掲げています。

在宅勤務は柔軟な働き方への対応や自然災害など緊急時対策として導入を検討してきました。試験的な実施を経て2020年5月に制度化し、結果的に現在は主にコロナ禍の対策として役立っています。

導入した制度・規定

基本的なルールとして「在宅勤務制度要領」を発行。その後、実施の基準や利用マナーのようなものとして「在宅勤務ガイド」を発行しました。出社を原則としていますが、個々の状況によって柔軟に対応できることとしました。

実施環境

  • VPN接続による自宅での在宅勤務が中心

現状・今

会社の基本方針はコミュニケーションを重視するため出社を原則としたうえで行っており、実施の際は毎月申請することにしています。業務に支障がある場合は許可されないこともありますが、職場ごとにルールを決めて行うようにしています。

導入の効果

柔軟な働き方を推進でき生産性が上がったと感じています。またこれまでの業務のやり方を見直すきっかけにもなっています。オンライン会議など新しいコミュニケーションツールが普及し、仕事に刺激を与えている一方で、在宅できない業務をする者との不公平感の解消や、実施の許可判断基準はどうあるべきかなどが課題になっています。

これから・未来像

当社では未来に向け全員がソリューションクリエイターになるという目標を掲げています。その実現のためには社員同士が多様なアイデアを出し合える環境が必要で、積極的に在宅勤務を推奨するわけではありません。ただ今後は個人の生活の事情などによって多様な働き方に対応していくことも必要です。

その際「在宅勤務は仕事の質が落ちる」という結果にならないよう、生産性や業務の達成度合いを担保する仕組みづくりが求められます。業務の目標と達成度を可視化できるような目標管理手法がさらに重要になってくると考えています。

難しかった点・苦労した点・解決策等

社員同士のコミュニケーション不足や、出勤しないとできない業務への対応など、不都合が生じやすいです。また一人だと業務に集中しすぎてしまい十分な休憩が取れない、困ったとき相談相手がいないなど、在宅特有のストレスもあります。実施を許可するのは所属長ですが、所属長が判断に困ることも増えてきました。そこで「在宅勤務ガイド」を発行しました。

当社では会社はイノベーションを起こす場所であるというコンセプトがあり、社内にカフェを設置するなど快適な作業空間づくりに力を入れています。そのため社員同士のコミュニケーションを重視しており、出社を原則とすることを再確認したうえで在宅勤務の許可基準を周知しました。実施にあたっては生産性を意識することはもちろんのこと、顧客優先の視点を忘れないこと、出社業務を補ってくれる同僚への配慮を忘れないこと、必要な場合には出社を優先し無期限には実施しないといったことを共有しました。ガイド発行にあたってはトップの方針だけでなく現場の所属長や社員の意見も聴くよう配慮しました。

メッセージ・伝えたいこと

導入にはある程度トップダウンが必要ですが、その後の運用には関係者間での話し合いが必要になります。

会社と社員、または在宅する社員としない社員の間で最適な方法を考える過程が必要です。協議の機会を持つことが重要だと考えています。今後も会社の文化を共有しながら状況に合わせて柔軟に進めていきたいと思います。